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zoom RSS 犬士達の壮行会

<<   作成日時 : 2008/06/06 22:03   >>

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雪が解け始めた路地裏に、10匹の犬士達がやってきます。

そこにはとても立派な王犬とその仲間達がいて、今しがたの犬士達とあわせて実に37匹もの犬士たちが集まっているのでした。

37匹の犬士は言いました。
「ワン フォア オール、オール フォア ワン(一匹はみなのために。みなは一匹のために)」

細身の剣を打ち合わせ、37匹が一斉に唱和します。


その日は、久しぶりに37匹の犬士達が一堂に会したのです。

「よく戻った。お勤めご苦労だワン」
「帝國軍はどうだった?」
「すごかった。いや、私の活躍を見せたかっただワン」
「お前兵站係だっただろ」
「バウ」

それはもうすごい騒ぎです。
後、兵站は大事な要素なので軽んじてはいけません。
お腹が空いては戦は出来ないのです。

/*/

「隣の猫達の様子は?」

落ち着くのを待って王犬が言いました。
途端に戻ってきた犬士達も口が重くなります。

「治安維持に動いているのは皇帝陛下の軍なので、私達にも噂でしか伝わってこないのですワン」
「バウ」
「流れてきた難民に聞いたところ、わずかな例外を除いては統制をなくし、無政府状態になっているみたいです。
今までの危機を考えればいささか脆すぎるように感じるのですが」
「犬は慣れ過ぎだって偉い人が言ってた」
「立場が逆なら分からんさ」
「バウ」
「おーい、誰だバウ2連れてきたのー?」
「ガウ。我々に責任がないわけでもありません」
「三分割」

王犬シィは聖徳太子ではないので、まあ待て、とジェスチャーで示しました。

「遠くの猫の様子は?」

犬士達は互いに顔を見合わせます。

「窓を締め切りですワン」

一斉にうなずく犬士達。

「そうか」

それからも、犬士達は次々に話題を変えて話し込みます。
最近の主人の話、今年は特に長かった冬のこと、流行の歌曲……。

/*/

気づけば、長い時間が過ぎていました。
犬士達は大きな円を描きます。

37匹の犬士は言いました。
「ワン フォア オール、オール フォア ワン(一匹はみなのために。みなは一匹のために)」

そうして、新たに10匹の犬士達が旅立っていきました。
その道行きが幸いでありますように。

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