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zoom RSS ■蒼翼型試作戦闘機

<<   作成日時 : 2008/05/03 13:18   >>

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■蒼翼型試作戦闘機

●承前

蒼翼は天領で極秘裏に開発されている試作戦闘機だ。
試作機である以上正式採用されれば通しナンバーが振られ、機体名が与えられる。
そのときは別な名を持つ戦闘機となるはずのこの機体を、今はまだ蒼翼と呼称しよう。

蒼翼に要求されたのは航空・低軌道宇宙での戦闘能力。
それは広大なネットを活動範囲としながらも、多くの藩国が重力圏に縛られている現状では必須とされる性能だった。

かつてイベント81においてテラの民は地表50kmという“低空軌道”をマッハ16で巡航する偵察機に対処せねばならなかった。
各国は事態をしのぐために泥縄的に防空システムを構築。
フェイクトモエリバーという異端のI=Dが生み出されたのもこの時だ。

あれから一年。藩国の防空システムはなんら進歩していない。
ビギナーズ王国の呼びかけに天領が選択したのは、テラ領域の致命的な弱点を補うことだった。
もう軌道上からの攻撃で全国滅亡の危機を迎えるのはこりごりだ、という事だ。

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●ロケットブースター→ラムジェットエンジン→スクラムジェットエンジン

天領からの性能要求を受けて開発チームが着目したのは、前述のフェイクトモエリバー、ひいては伏見藩国の機体だった。
先日奇眼藩国と合併したこの国こそは帝国随一のメカ開発の聖地であり、防空システムの進化が遅滞する中で絶えず新機体を送り出し続けてきた結果として帝国・共和国の区別なく考えても航空機に関しては最先端に位置する。

狂気の沙汰と呼ばれ、開発国の藩王自ら一度は封印したA71-E(W4)。
大気圏内外での広範な活動が可能な蒼穹号。
蒼翼がその延長線上に性能を想定されるのもむべなるかな。

主要機関はフェイクのロケットブースター、蒼穹号のラムジェットエンジンの流れを受けてスクラムジェットエンジンに決まる。

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「しかしまあ、なんだね」

紙飛行機を飛ばしながら、主任設計者でもあるその人物は困った顔をした。

「スクラムジェットエンジンは理論上マッハ15まで出すことが可能とされる。
これは地球を一周するのに一時間かからない位のスピードなんだよ」
「大雑把過ぎませんか」
「大したことはないよ、これから挑むことに比べれば」

主任は遠くを見る。青空に羽ばたく鳥の群れ。

「理論上の限界値なんてとっくに超えられてるんだ。僕らはその先に行かなきゃならない」

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●噴出する問題

わんわん帝国軍はフェイクトモエリバー3の開発を発表。
現在のフェイクをベースに宇宙戦能力を持たせることを決定した。
これを受けて試作戦闘機蒼翼は防空戦力としての役目に特化。
エマージェンシーコールからの緊急発進で、宇宙の守りを抜けて大気圏突破を図る敵性目標を速やかに撃破することが求められた。

これはむしろ芥辺境藩国に配備された<蒼天>に近い設計思想である。
後発である以上は蒼天、蒼穹号の両機を超える、あるいは欠点を補う必要があった。
だが既に検討しつくされた傑作機と言える二機を超える設計は困難を極める。

また、蒼穹のAI“DAIAN”、芥辺境藩国の積層型制御システム……。
超音速の機動に対応するために採用されたこれら試作戦闘機の核となる部分の設計にも行き詰まりを見せつつあった。

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開発コンペの期限が迫る中、設計主任はぽつんとつぶやいたと言う。

「浮遊石積んじゃえばいいのに」

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●ニューワールドの空に

技術的に行き詰った開発陣は事態の打開策をファンタジーに求めた。
ニューワールドの世界特有の特性である「機械も理力も作動する」という利点を最大限に活かそうと考えた結果だった。

各国から星見司、大神官、理力建築士といった専門家が招聘され、設計陣と合流。
夜を徹して検討が重ねられ、意見をぶつけ合い、すりあわせ、時になだめすかしつつ湯飲みが宙を舞った。
特に問題視されたのは昨今持ち上がった魔法使いへの蔑視、その原因であるなりそこないという現象だ。
強力な精霊回路を組み込んで仮想人格を付与する、などの案は大きく危険が伴う。

のべ何時間かかったか記録することに意味はないだろう。
結局会議を終局に導いたのは一人の星見司の発言だった。

「ティタニアの翼ならば」と。

●着る航空機、誕生

星見司は開発された試作機がACEとして扱われていることに着目、レンジャー連邦に存在するウィングオブティタニアのように“着用する”事でパイロット問題に対する解答とした。
着用の制限として士族級のフィクショノートを必要とする。

機体の設計は先端にエアインテークを持つ“ミサイル型"としかいいようのないもので、スクラムジェットエンジンを稼動するためだけに大型の増加燃料タンクを装備。その全長は33mに及ぶ。
理力建築士によって浮力を持たせ、大神官の聖別による装甲強化=装甲重量の軽減に努めた結果、巡航用の通常エンジンは機体サイズからすると小型ながら、十分な加速力を得ることが出来た。

機体構造・中枢制御装置には従来の技術が用いられ、精霊回路の使用は避けられたが、飛行時にはなぜか透明な翼状の力場が発生することが確認されている。
だから。
この機体は空を飛んではじめて蒼翼となるのだ、と。

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●武装

武装はテックレベルの高い標準的なものが採用されている。
理力に頼った攻撃手段はパイロットの素質によるものが大きく、一定の戦果を見込めないため。

・蒼3号式ボールレーザー
機体前方に装備された半球状のレーザー射出装置。
大気による減衰が発生するため、主に低軌道宇宙での任務の際に使用される。
使用環境によって性能が左右されるとはいえ、超音速機動を行う戦闘機の標準武装としては最適。


・コロナ級ガンポッド
25mm弾を超高速で射出する機銃。半固定式。
質量による破壊力の増大よりも射出速度を重視した設計になっている。
そのため超音速でも使用することが可能だが、比較的低高度での使用を想定して装備されている。


・MAX超音速対艦ミサイル
スクラムジェットエンジン推進式の超音速対艦ミサイル。
本体開発のついでにミサイルもスクラムジェットにしてしまった開発陣はもしかしなくても大馬鹿者である。
これを装備した姿は「ミサイルがミサイルをしょって飛んでいく」と形容される。
さすがに思うところがあったのか、ロケットエンジンの空対空ミサイルも装備可能。

(九音・詩歌)

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