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zoom RSS 藩国民SS第一弾『寅ブルパニック第二話』 - 葉崎京夜

<<   作成日時 : 2007/01/27 14:17   >>

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『寅ブルパニック第二話』

『子寅と料理・被害者(?)花陵の場合』

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それは藩国会議終了後の雑談中に起きた惨劇である。

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厨房は今日も柔らかな歌声で満ちている。
歌声の主は花陵という女性である。幼く見えるが既に既に立派な成人であり、音楽と絵を愛する可愛らしい人物だ。

なんか、男性陣と扱いに差があるという抗議が一部から殺到しているが、当然のことなので気にせず説明を続ける。

この人物、料理が大変上手でありよく厨房を任される。ちなみに、任されなくても何かとお菓子を作ったり、お茶を入れたりしてくれる大変ありがたい人である。人間損得抜きで世話を焼いてくれる人物は中々、いない。こういう人物が増えれば世の中はもっと明るくなるだろう。

柔らかな歌声と、俎板を叩く包丁のリズム。

歌には力が宿り、歌をきくものに力を分け与えるという伝説がある。詩歌藩国の人間であれ犬であれ、皆この伝説を心より信じ、また、誇りに思っているのは周知の事実であるが、この花陵という人物。歌を歌いながら料理をするのだ。
本人いわく、「だって歌うと、小麦粉さんや林檎さんのご機嫌が良くなってより美味しくなるのよー。」である。彼女が言うのだ。それは真実であろう。

そんな歌に合わせて排気口の蓋がガタガタと鳴り出す。

ん、とそちらを見た花陵の目の前で排気口の蓋が外れ、『何か』が飛び出してきた。

大きさは人の頭くらいあり、ふさふさとした毛に覆われた物体。何か足のようなものが4本ほど生えているのが見て取れる。ちなみに毛の色は白である。

寅山さん。そんなところで何やってるんですかー?と声を掛ける花陵。それもそのはず、ごろりと転がったその物体は寅山の顔をしていた。ひょっとしてつまみ食いですかー?と続ける花陵。大抵の人物はこれを見て悲鳴を上げるはずだが、この人物は違った。すごいなおい。

でも、ずいぶんと小さくなりましたねー。と、手を止めずに笑いかける。まるでたんぽぽのような微笑である。赤くなる寅山の顔。

お腹が空いたのなら、これ食べますか?作りかけの料理を指しながらの提案であった。
二本の前肢らしきものを上げ下げして喜ぶ寅島の頭。
大層不気味であったが、まったく気にしない花陵さん。
実にシュールであるが、これはこれでありだと思う。

お手伝いしてくれれば、もっと早く食べれますよー。という声に合わせて、開いた排気口から寅山(頭のみ)の御代りがごろごろと落ちてくる。それでも気にしない花陵である。人間違うものとでも分かり合えるという事の、実例はここにもあった。

前肢を振り上げる寅山達(頭のみ)に笑いかけながら、彼女はこう言った。

「じゃあ、皆でお料理をしましょう。」

踊る寅山達(頭のみ)。

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テーブルの上には、温かい料理が並んでいる。

「みんなー、席についてしまえー」

前肢をあげて喜ぶ寅山(頭のみ)。

口を開く花陵。
「よし。では食べてしあわせになってしまえー。いただきます!」
何処かで聞いた台詞である。ちょっと赤くなる花陵。

黙々と食べ始める寅山達(頭のみ)。

食事終了。

「で、寅山さん。何でそんなに縮んだんですかー?」と花陵。

一斉に片方の前肢を目の前で振る寅山達(頭のみ)。

「寅山さんじゃないんですかー?」

頷く寅山達(頭のみ)。

「うーん。じゃあ、どうやってお呼びすればいいですかー?」と花陵。万物は名によって成り立ち、名を得ることによって力を得るのが古代から続く魔術の基本である。

短い前肢を組んで悩み始める寅山達(あたまのみ)。

いい事を思いついたとぽんと手を叩く花陵。

一斉にそちらを期待に満ちた目で見る寅山達(あたまのみ)。

「寅山さんによく似ていらっしゃるので、子寅さんでどうでしょう?」

踊る寅山達(頭のみ)改め、子寅達。







命名・子寅。

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―寅ブルパニック第二話・子寅と料理・被害者(?)花陵の場合・了―
なお苦情は葉崎京夜までご一報を。

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