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zoom RSS 須藤の事情- 崎戸剣ニ

<<   作成日時 : 2007/01/27 13:32   >>

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http://www009.upp.so-net.ne.jp/raiilu/library.html#book3及び
http://blue-bell.at.webry.info/200701/article_46.htmlと関連します。
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その日、須藤は言った。
「戦争に、行くんだ」
銀行強盗少女ことアルティニ・皆高は、卒倒した。

「どどど、どうしてですかっ!? どうして 、あきまささんが戦争に行かなくちゃいけないんですかっ!?」
「どうしてもなにも、それが仕事なんだ。しょうがないだろう?」
 須藤はお茶をすすりつつ、こともなげに言った。
「でも、戦争に行ったら死んじゃうかもしれないんでしょう!? 還ってこれないかもしれないんでしょう!?」
「かもしれないな。でもまあ、そんなもんだよ」
 実際、須藤は死ぬのは怖いが、まあ、そんなもんだと、考えている。
 この人物、のんびりとしているようで、実際には悲しいほど現実的な見方をする男であった。
 湯飲みを卓袱台に置くと、須藤はむしろ優しげに笑う。
「でもな、ティナ。誰かがやらなきゃいけないんだよ。でないと、戦えない誰かが死ぬ」
「それなら、あきまささんじゃなくたって……!」
「駄目なんだよ、ティナ。ちょっとした小競り合いだったらまだそれでも良かったかもしれない。でも、今度の戦いはみんなが戦わなきゃいけない。僕だけ逃げるわけには行かないんだ」
 須藤の眼には、その言葉どおりの勇気と覚悟があった。
 アルティニはそれでもなにか、を言おうとして、そして口をつぐんだ。
「すまない」
 頭を下げる。
「僕が死んだ時に備えて、後のことは吏族に任せてある。心配しなくていい」
 アルティニは黙った。そして。
「……あきまささんも、私を置いていくんですか?」
「は?」
「あきまささんも、私なんか必要ないって言うんですか!?」
 わんわんと泣き始めた。
「いや、そんなことは……」
「じゃあ、どうして、戦争に行くんですかっ! わ、私が必要だって言うんなら、戦争に行かないで私の側にっ、い、いてください! 私、なんでもします、何でも言うこと聞きますから、だから、私を一人にしないでくださいっ……」
 まくし立てて、須藤に抱きついて、泣き続ける。
 須藤は何もいうことは出来ず、ただ、彼女を抱きしめることしか出来なかった――

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