詩歌藩国日報

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zoom RSS 伊能 誠人の日常

<<   作成日時 : 2007/01/27 13:13   >>

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これは雪村しふぉんが詩歌藩国国民として迎えられた次の日の出来事である。

この日、伊能 誠人は一人の青年を連れて詩歌藩国藩邸に来ていた。
「藩王様、雪村しふぉん殿を連れて参りました。」
「よし、通せ。」
執務室に入る伊能と青年。二人が頭を下げた後、青年が口を開いた。
「藩王様、お初にお目にかかります。雪村しふぉんと申します。このたびは詩歌藩国民に加えてくださり、ありがとうございます。本日は藩王様にご挨拶にために参上いたしました。」
「詩歌藩国へようこそ、雪村しふぉん君。こちらとしても新しい国民が増えるのはうれしい限りだ。これからよろしく頼む。」
「もったいないお言葉、ありがとうございます。」
再度頭を下げる雪村。伊能はその様子を見て、もう自分のやることはないだろうと判断し、
「では、私はこれで…。」
と言い、執務室を去ろうとする。そこで藩王・九音詩歌に呼び止められた。
「待て、伊能。君はこのまま雪村しふぉん君にこの詩歌藩国を案内してやってくれないか?」
「自分が…ですか?」
「そうだ。藩国民募集のお触れを出してから、雪村君がやってきたのを最初に見つけたのは君だったじゃないか。それにこの間、青と芝村の末姫にも観光ガイドのまねごとをやっていただろう。あのときの要領で頼む。」
と言いつつ、なぜか少し笑いをこらえる藩王。それに対して伊能は、
「……かしこまりました。」
と、少し引きつった顔で短く一言いい、青年を連れて早々に執務室から退散した。出て行った執務室からは藩王と王犬シィの笑い声が漏れていた。

執務室を出た伊能と雪村はいったん藩邸のロビーに来ていた。
「いったんここでどこに行くか決めるか。」
と言っていすに腰を下ろし、伊能は言った。
「というわけで今日一日、私が君にこの藩国を案内することになったわけだが、そういえば自己紹介がまだだったな。私は伊能 誠人。ガンブレイズシンガーの一人だ。君は雪村しふぉん君だったな。」
「はい、そうです。えと、質問なんですが、ガンブレイズシンガーって何ですか?」
と自分もいすに腰掛けながら雪村。
「この藩国の兵隊のようなものだな。時には歩兵として、時にはパイロットとして詩歌藩国およびわんわん帝国全土を守護する誇り高き者だ。」
「もっとも平時にはそれぞれ別の仕事も持ってはいるが。」
「そうなんですか。で、伊能さんは他にどんな仕事を?」
「私は大族だから他にこれといって仕事があるわけではないが…。いや、何もやっていないのではないぞ!藩国会議には参加している!!」
「へぇ〜。」
若干疑いの目で伊能を見る雪村。伊能がさらに弁解を言おうとした時、一人の男が声を掛けてきた。
「よぅ、伊能じゃないか。こんなところでお前と会うなんて珍しいな。藩王に何か用か?」
「あぁ、崎戸さん、こんにちは。用事はもう済みました。藩王様へのご挨拶のために雪村君を連れてきていたのです。」
「雪村?あぁ、その子が新しく藩国に来たっていう雪村しふぉん君か。詩歌藩国へようこそ。私は崎戸剣二。一応文族の代表をやっている。これからよろしく頼む。」
「こちらこそよろしくお願いします。僕も文族志望なのでこれから会うことが多くなりそうですね。」
「ほぅ、文族志望か。これはありがたい。我らの藩は文族の数が少なくてね。助かるよ。ところで伊能、謁見が終わったのに何でまだ藩邸にいるんだ?」
「藩王様に雪村君に藩の案内をしてやれと言われまして。どこを案内するかをここで話し合おうと腰を下ろしたところに崎戸さんがやってきたのですよ。」
「あぁ、そういうことか。話を中断させてすまなかったな。しかし、藩の案内と言えば青・芝村舞歓迎祭りの時のお前はなかなかおもしろかったな。あれで少しイメージがお前に対するイメージが変わったよ。」
藩王と同じように笑いそうになるのを堪えながら言う崎戸。
「あ、そのこと僕も気になってたんです。伊能さんてそのお祭りで何やったんですか?」
「あぁそうか。雪村君は来たばかりだから祭りのことは知らないんだったな。こいつは祭りで青と芝村舞さんに観光ガイドを申し込んでな。しばらくガイドやってたんだが急に舞さんに耳打ちしたと思ったら…。」
「ちょっ!崎戸さん、止めてください。あの時の私はどうかしてたと自分でも思っているのですから!」
「いいじゃないか、どうせ後々祭りの時の話が我ら文族によってまとめられれば知られることだろう?なら今知っても同じことじゃないか。」
「いやしかし!」
「教えてください、崎戸さん。僕も今知りたいです。」
と雪村。
「そうだろう?実はな…。」
「崎戸さん、伊能さん、こんなところでいったいどうしたんです?…と、この子は?」
と言いながらやってきたのは竜宮司である。
「あぁ竜宮か。この子は新しい藩国民の雪村しふぉん君だ。」
「雪村しふぉんと言います。これからよろしくお願いします。」
と、頭を下げる雪村。
「君が雪村しふぉん君ですか。私はこの詩歌藩国で星見司と吏族をやらせてもらっている竜宮司というものです。ようこそ詩歌藩国へ。歓迎しますよ。」
「あぁそうだ!ちょうどいい。竜宮、お前祭りの時に写真撮ってただろう。伊能のあの姿の写真も撮ったか?」
「あの姿?あぁ、あれですね。しっかり撮ってありますよ。というか今持ってます。」
と写真の束を取り出す竜宮。
「何で持ってるんですか!!」
必死に写真の束を取りあげようとする伊能。それを押さえる崎戸。その間に竜宮は写真の束から、
「ほら、これでしょう?」
と、一枚の写真を取り出した。その写真には町の真ん中で雪だるまと化している伊能がしっかりと写っていた。それを見た雪村は大笑いしながら、
「あはははは、何ですかこの伊能さんの姿!」
と説明を求めて崎戸のほうを見た。崎戸も思い出し笑いしながら説明する。
「いやな、伊能がガイドの途中に舞さんに耳打ちしたと思ったらいきなり突き飛ばされてこの有様さ。伊能、お前舞さんに何言ったんだ?」
「………黙秘権を行使します。」
伊能はがっくりとうなだれながら言う。
「そうか、まぁいい。というわけで伊能は見た目はこんなだが意外とこんな茶目っ気もあるってことだ。そうだ、雪だるまさんとでも呼んでやるといい。」
「雪だるまですか、いいですねそれ。じゃあこれからはそう呼ばせてもらいますね、雪だるまさん♪」
「もう何とでも言ってくれ…。」

その後、町を案内する間中、雪だるまさんという知らない人が聞くと意味不明なあだ名で呼ばれ続けた伊能であった。

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